ギリシャやスペインで宝くじ事業を売却

ギリシャやスペインで宝くじ事業売却のニュースがあります。
国営の宝くじ事業を売却ってどういうことなんでしょう?
あなたも宝くじの胴元側になれる。って話だよねぇ。

スペインで国営の宝くじ事業を一部売却

昨年の12月ですが、宝くじ事業売却のニュースがありました。
「スペインは、国営の宝くじ事業を一部売却するほか、(後略)」
「政府保有の宝くじ事業の30%を売却する方針を明らかにした。」
他に特別失業手当の廃止や空港の株式売却などもするそうです。

民営化し上場すると、時価総額3兆円の世界最大のギャンブル関連会社になるとのこと。
30%をIPOで売却して、8000億円ほどの調達を目指すそうです。

ギリシャでもスポーツクジ等の会社を売却

6月8日付けで、賭博事業会社の株式売却のニュースがありました。
「ギリシャ政府は、スポーツくじなどを手掛ける賭博事業会社OPAPの株式34%の売却を、当初予定の来年ではなく年内に実施するもようだ。」
他に政府保有の銀行株の売却などもするそうです。

時価総額は1.8兆円相当と見られるとのこと。スペインよりは小規模ですね。

なぜ売却するの?

6月14日のニュースでギリシャのデフォルトが不可避と判断した格付け会社(S&P)が、長期信用格付けを「B」から世界各国の格付けの中では最も低い「CCC」に3段階引き下げたそうです。

深刻な財政危機のために、売れるものは何でも投売り状態だそうです。
 税率を上げても、不景気になり税収減の悪循環。
 多すぎの公務員給料・公共事業をどうにかしようにも、票に影響するし。
んっ?大震災を契機に財政不安が再び叫ばれているどこかの国のことのよう?
国債の引き受けを他国に頼るようになってくると….。

ギリシャは昔も将来の宝くじ収入を担保に外国企業から現金を得ていたらしい。
今回は、公式に優良な税収源を売ることで、当座の資金を得るのです。
今の借金を返すために、将来の超優良収入源を手放すってことです。(たぶん。)

ギリシャやスペインの宝くじ事情は

分かる範囲で日本と比較できるよう表にしてみました。

項目 ギリシャ スペイン 日本
年間売上 6500億円 1.3兆円 1兆円
収益率 17%+税 30% 40%
当選金率 67%-税 60% 45%
経費率 15% 10% 15%

注1:一律じゃないところもおおざっぱにまとめています。
注2:対象がマチマチかも。今回売却対象じゃない部分も含んでる?

ギリシャは当選金に課税されますが、それを換算しても当せん金率60%はあるそう。
スペインは、国民1人あたりの宝くじへの支出が世界一と言われています。
日本の3分の1ほどの人口で、売上は日本よりも大きいのです。
日本の経費率の悪さは、スクラッチと天下り財団のせいかな?

スペインで見ると、売上の30%年間4000億円の利益が出る超優良企業ですね。
時価総額3兆円とすると、10年ぐらいでペイできる気が。おいしい。
民間企業になると、税金はどうなるのかな?さすがに税金はとられるか。

この表見ると、ギリシャはスペインの半分も価値がなさそうだけど、時価総額の予想は半分以上?
表の誤りや、いろいろな条件があるのでしょう。

これらの新規公開株は、投資家の関心をかなり集めているそうです。
赤字が考えられない事業ですから、私も株主になりたいぐらいです。
国のデフォルト危機の影響とか、為替の影響とか、競合の賭博(裏を含め)とか、
今後の政府介入とか、よく分からないこと多すぎで手はだしませんが。

株主はオーナーでしょ?宝くじの胴元側になるってことですよ。魅力的だが。

売却するとどうなる?日本は?

日本ではみずほ銀行が一手に取り扱っていますが、販売を委託されているだけです。
県知事などで構成される全国自治宝くじ事務協議会などでいろいろ決めてます。

民間に売却されたら、効率化して経費率は下がる気がします。
人気ある宝くじが増えて、経費率の悪い宝くじは廃止でしょう。
まぁ、2/3は国が保有なので、特定企業の商品とタイアップとかは無理でしょうが。

そんなことより、将来の国の収入が外国人などの手に渡ってしまうのです。
(外国人投資家の制限があるのかな?)
国鉄とか郵政とかNTTとかの民営化とは全く次元が違いますね。

日本が将来的にそんな状況にならないとよいのですが。。。
今の政治家を見ていると、不安で、不安で。

—- 2011/9/30追記 —-
スペイン経済省が、市場環境悪化を理由に計画していた国営宝くじ事業会社の株式放出の延期を決めたそうです。
第1野党は売却自体に反対しているそうですが、代わりの財源は?

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