米国ではなぜ賞金の一括受取が主流なのか

先日のメガミリオンズの当せん者の一人は、一括受取を選択したそうです。
約2.2億ドルの賞金が一括受取だと約1.6億ドルに減額するのにです。
税引後の一括受取額は約1.1億ドル(約90億円)ですぐに使える額じゃないです。
分割で年5億円を26年間で貰った方がよい気がしますが、なぜでしょう。

アメリカでは多くの当選者が一括払いを選択している

今回のメガミリオンズの当せん者が珍しいのではありません。
当せん者のニュースを見ると、ほとんどの人が一括払いを選択しています。
というか、最近、分割払いを選択した人を覚えていないです。
(昔は、分割払いなのに破産したっていう人もいましたが。)

米国では一括払いが普通ですが、パーっと使いたい国民性なのでしょうか?

年金宝くじも人気となっている

アメリカでは「win for life」という年金くじが販売され人気です。
以前にブログで紹介したように、欧州や韓国でも販売され人気になりました。

アメリカの年金くじは、死ぬまで受取れるという魅力もあるようです。
ただ、定期的に賞金を受け取れるってことも魅力になっているはずです。

それでは、なぜ普通のくじで分割受取をしないのでしょうか?

高額当せん者にはアドバイザーがつく

アメリカでは高額当せん者に資産運用の専門家がつくのが一般的だそうです。
庶民が急に何十億円、何百億円を手にしても、困っちゃいますからね。
今回のメガミリオンズの当せん者も、弁護士や金融アドバイザーを同伴して当せん金の受取り手続きにきたそうです。

で、専門家は一括受取を薦めるそうです。
専門家の利益のためというのもあるでしょうが、分割が問題あるからです。

・今後、税率が上がりそうだから、今、税金払っとけ。
(日本は消費税が上がりそうですが、米は宝くじへの税率が上がりそうなんですね。)

・途中で死んだら、遺族は遺産税を一括払いさせられるかも。
(賞金が分割で払われるのに、税金を先に一括払いだと、遺族が税金を払えなくなる可能性がある。)

・一括払いなら、資産運用して運用益を得ることもできる。
(年利2.7%以上の運用益なら一括受取が有利に。私の適当計算ですが。)

米国だと、超高額は信託に組み入れて運用という流れが普通のようです。
日本だと高くて数億円なんで、自分で決めて運用が一般的のようですが。

日本で分割支払いを導入なら

総務省の宝くじ活性化検討会の報告書に年金くじの検討が記載されました。
私は、「1等2億円」よりも「年800万円を35年間」の方が魅力的です。
(超長期の地方債の利率を2%として考慮すると、このぐらいになる。)

なので、導入を是非検討して欲しいのですが、税制面は要注意です。
相続時の条件など、分割受取が不利とならないような法制度は必要ですね。

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